Written by Kyouji Shimizu

群馬杯トライアル決勝

決勝に駒を進めたのは赤白黒コントロールを操る室田。
数少ない日曜日休みを大会にに費やす、MTGジャンキーだ。

対するのは、赤白緑のビートダウンの岩上。
他県から遠路遥々大会に参加する、MTG中毒者。

群馬杯の数少ないトライアルを制して、不戦勝ポイントを手に入れるのはどちらか?
いや、どちらがマジックジャンキーかを決める戦いが、今始まる。

GAME1

ダイスロールにて先手を得たのは室田。

だが、先に動いたの当然、岩上。
《アヴァシンの巡礼者/Avacyn’s Pilgrim(ISD)》からの理想的な立ち上がり。

だが、室田はすぐさまに《悲劇的な過ち/Tragic Slip(DKA)》を。
コントロールにおいて、マナ差を生むことが勝敗を大きく分ける事を知っている。

《円環の賢者/Gyre Sage(GTC)》から《ドムリ・ラーデ/Domri Rade(GTC)》と次々と展開する。
自らを自虐するかの様に、ギルドランドにライフを支払う。

アドバンテージを得る事無く《ドムリ・ラーデ/Domri Rade(GTC)》は《戦慄掘り/Dreadbore(RTR)》によって退場するも、《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells(DKA)》を続け、攻める事をやめない。

厳しいのは、能動的に動けない室田。
《灼熱の槍/Searing Spear(M13)》によって、達人本体を落としはするも、続く《スラーグ牙/Thragtusk(M13)》をどうする事も出来ない。

リアクションカードと土地ばかり引く室田は、ドローを確認すると、サイドボードに手をかけた。


決勝戦は時間無制限。
だが、一戦目はわずか3分で締めくくられる。
まさに一瞬の出来事である。


室田0-1岩上

GAME2

先ほどのスピーディーなゲームとは裏腹。
序盤の攻防はなくお互いに淡々と土地を置くのみ。

まずは先手の室田。
《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》を皮切りにゲームは徐々に加速していく。
更には、《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren(ISD)》と続け、先ほどのマッチとは打って変わって能動的なゲームメイク。

だが、岩上も黙ってはいない。
《ボロスの反攻者/Boros Reckoner(GTC)》から《ドムリ・ラーデ/Domri Rade(GTC)》へと続け、即座にマイナス能力。
室田のマナが無い今こそ、忌々しい吸血鬼を葬るチャンス。
《ボロスの反攻者/Boros Reckoner(GTC)》の能力により、スピリットの片割れも落とし《スラーグ牙/Thragtusk(M13)》へと繋ぐ。

室田、残ったスピリットによって、《ドムリ・ラーデ/Domri Rade(GTC)》を叩く。
地上の大きなクロックには《ボロスの反攻者/Boros Reckoner(GTC)》で答える。

地上から攻める岩上、《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells(DKA)》から《ボロスの反攻者/Boros Reckoner(GTC)》。
これでようやく、室田の《ボロスの反攻者/Boros Reckoner(GTC)》を乗り越えられる状況に。

だが、それを見るや室田、《火柱/Pillar of Flame(AVR)》で《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells(DKA)》本体を除去。
《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》を手札と墓地から唱え、溢れるスピリット。

用意していたトークンカードも足りない。

厳しい状況に迎えられた岩上。
相手の《ボロスの反攻者/Boros Reckoner(GTC)》が乗り越えられないからこそ、スピリットによって見る見るライフが削られていく。
《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》と《スラーグ牙/Thragtusk(M13)》のお約束コンボでライフを水増しするも、一向に状況は良くならない。

7匹のスピリットを前に、一匹の天使なぞまるで焼石に水。

だが、岩上。
ここで《ボロスの反攻者/Boros Reckoner(GTC)》をトップデック!!

傍から見ているだけでも明らか、これ一枚で攻守が入れ替わったのが判る。
こうなると一転して厳しくなるのは室田。
飛行こそ持ってはいるが一体一体のスペックが心もとない。


再びイニシアチブを取り返すカードを持っているのか、室田。


少し悩んだのち、そこで唱えたのは《オルゾフの魔除け/Orzhov Charm(GTC)》
追加された《ボロスの反攻者/Boros Reckoner(GTC)》をライフロスと共に葬る。


返すターン、室田が唱えたカードそれは《冒涜の行動/Blasphemous Act(ISD)》!!


すべてのクリーチャーに13点をばら撒き、お互いの《ボロスの反攻者/Boros Reckoner(GTC)》がダメージを反射する。

Q:ここで問題です。

室田16-13=? 岩上7-13=?


A:室田1-1岩上

GAME3

先手を得たビートダウンの岩上。
初動は《アヴァシンの巡礼者/Avacyn’s Pilgrim(ISD)》だが、それが2ターン目と少々噛み合わない。

しかし室田からしてみれば、それでも序盤のマナ差は勝負の分かれ目と《火柱/Pillar of Flame(AVR)》で、即座にこれを除去。

返す岩上、《火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar(M13)》に速攻を付与してすぐさまレッドゾーン。
しかし、この猪突猛進も室田の《ボロスの反攻者/Boros Reckoner(GTC)》を目の当たりにすると迂闊には出来ない。

アタックの出来ない岩上は4マナを立ててターンを返すのみ。
これは手札に《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》がある構えだろう。

室田、手札から4枚目の土地から《イニストラードの君主、ソリン/Sorin, Lord of Innistrad(DKA)》をプレイするが…


おっと…!?


良く見ると土地ではなく《軍勢の集結/Assemble the Legion(GTC)》だ。
決勝の緊張からか、別のカードと間違えてしまう。

いや…
見せつけるプレイング。
いわゆる、羞恥プレイというヤツかもしれない。

ターン終了時には、予定調和的に現れる岩上の《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》。
《処刑者の要塞/Slayers’ Stronghold(AVR)》の力も借り、《イニストラードの君主、ソリン/Sorin, Lord of Innistrad(DKA)》は吸血鬼を一体追加するのみとなる。

返すターン、室田は見せつけていた《軍勢の集結/Assemble the Legion(GTC)》。
時間が経てば経つほど、危険なこのカード。

当時のスタンダードを代表した《苦花/Bitterblossom(MOR)》
出したプレイヤーはゲームに勝つ程と比喩される程のカードだったが、それが更にパワーアップして帰ってきた。

これによりタイムリミットが近づいてきた岩上。
《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》の5点クロックで上空から攻め立てるが、それも束の間。
室田の《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》によって時間を稼がれてしまう。

岩上、《ボロスの反攻者/Boros Reckoner(GTC)》こそ追加するも、唯一の航空戦力を《灼熱の槍/Searing Spear(M13)》との合わせ技により失ってしまう。

室田、追い打ちを掛けるかの様に《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren(ISD)》。

岩上、この吸血鬼には《ドムリ・ラーデ/Domri Rade(GTC)》により、《火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar(M13)》とのトレードを申し出る。
1マナしか立っていない、このタイミングでしか行えない理不尽な取引。
しかし、このトレードこそが《悲劇的な過ち/Tragic Slip(DKA)》である事を手札からプレイされると、気づかされる。

都合、一方的に《火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar(M13)》を失ってしまう。

泣く泣く《忘却の輪/Oblivion Ring(M13)》で《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren(ISD)》を退かす。
本来、消したいカードは《軍勢の集結/Assemble the Legion(GTC)》の筈だが…


思いがけない所で、数少ないエンチャント対策を使ってしまった岩上。


振るわないトップデッキに、岩上は軍団が集結するのを指を咥えて見ているしかなかったのだ。

室田2-1岩上

優勝はYuuki Muroda

彼にしてみれば、群馬杯トライアルに参加できる数少ないチャンス。
それを見事、手にするあたり流石ジャンキー!!

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